柿を食べない理由

個別指導base守山第二校 吉村です。

 

石田三成という人物をご存じでしょうか。かの豊臣秀吉の家来で関ヶ原の合戦で徳川家康と戦った武将です。

この関ヶ原の合戦で結局、家康に敗北し、最終的に捕まってしまい当時としては珍しく処刑されることになってしまいます。

この処刑される直前の出来ごとだそうですが、

三成は喉が渇き門番に水を要求しました。門番は持ち合わせておらず

「残念ながら今は水がない。しかし代わりに柿がある。

これを食べてはどうか。」

と言いました。

しかし、三成はこう答えたそうです。

「柿は体を冷やし、腹をこわすから、いらない。」

…もちろんそんなことはないと思いますが、当時はそう考えられていたのでしょう。とはいえ、当時であっても門番が薦めてくれているあたり、大半の人は気にせず食べていたことでしょう。

これを聞いて門番はこれから処刑されようというのに今後の体調などを心配してどうするのかと問いました。すると三成はまたこう答えました。

「立派な人間たるもの、たとえ目前に処刑を控えていても最期の瞬間を大事にし、一生懸命生きるべきだ。」

 

世間一般にこれは往生際の悪さとして語られるエピソードなのですが、個人的に素晴らしいと思います。それこそ処刑の直前で誰かが助けてくれるかもしれません。家康が急死するかもしれません。その時に、もし柿を食べたことで体調を悪くしていたらうまく逃げることが出来ないかもしれません。

もちろんそんな確率はないに等しいことでしょう。しかしそれが起こらなかったとしても、

それでも最期の瞬間までその最期がないかのように振る舞い最大限生きていく。

これは本当に大切なことだと思います。

テストに対してもそうです。

学年末テスト、公立入試、今から足掻いたところで結果は変わらないかもしれません。

それでも何かをすると考えた瞬間、残された時間なんてなんの関係もなくなります。

 

「人生は、何かをするにはあまりに短く、何もしないには、あまりに長い。」

…確か……誰かの言葉です。